『明けない夜があってもいい』

2ヶ月ぶりのブログになりました。気づけば新年。 みなさん、あけましておめでとうございます、なんて、何がめでたいのかよく知りませんが、めでたいのはお前の頭だけだろって思いもしますが、これを口にするのが日本人の作法らしいので、一応言っておきます…

『肉人形』

仕事が終わり、家に帰ると、不愉快な匂いが鼻についた。 冷蔵庫を開けると、鶏肉が腐っている。料理なんかできるわけないのに、半額だからと気安く買ってしまった鶏肉が、腐って悪臭を放っている。 処理手段を考えることも面倒に思え、とにかく見なかったこ…

『ホラーショー』

仕事で疲れてしまってもう何も手につかぬ。酒を飲むことしかできぬ。今夜も酒を飲んで泥のように眠りこけるだけ。本当はしたいことがあったはずなのに。たとえば読書とか日記とか。え、それがお前のしたいことなの? 本当に? と自問すると、力強くは断言で…

『散髪』

3ヶ月振りにやっと床屋へ行きました。 今の今まで散髪をサボっていたのは単に面倒くさかった、それと、対人コミュニケーションに難がある、というのが主な理由でした。 理容師と何を話せばいいのかわからないというのが、なんというか、自意識過剰さを物語っ…

『ウロボロス』

ぼくの眼前に漠然と横たわる無窮の時間。そして、時間を食らい、無を排泄する大蛇。大蛇の食欲旺盛さと言ったら途方もない。食っても食っても満ち足りぬようである。時間の無駄では、と疑問に思うが、かといって有効につかえる手立てもない。時間が食いつぶ…

『暴力妄想』

自販機の前でタバコを吸っているとおばあさんが通りすがりににこやかな笑みを寄越すのだけど、どうして旧知の仲でもない竹馬の友でもないぼくに笑いかけるんだろう、ってそれは微笑めば微笑み返され和やかな雰囲気が生まれぼくもおばあさんもすこし幸せにな…

「あ、あの時頑張っていたら……もしかしたらって、自分にとっての最後の言い訳を取っておくしかないのよ…… さ、最初から、無理だと分かってるんだから…… そ、それくらい良いじゃないの……」

悲劇ぶって「どうしてこうも体調が悪いの!」って、そりゃ昼間から酒を飲むからであり、毎晩カップラーメンしか食べないからであり、家に引きこもり鬱屈した生活を送っているからであり、自業自得以外の何物でもないわけなんですが、自意識過剰自己愛人間のウ…

『幽体離脱』

ぼんやりと微睡み、快楽のさざなみに心を委ねているうち、ふと悪臭に気がついた。 これは、ぼくの死体が浴室で腐敗しているにおいだ。途端に目がさめた。今の今まですっかり忘れていたけれど、ぼくは死んでいるのだった。急いで浴室へ向かい、ドアを開けると…

『マグロの一生』

ぼくの部屋は日当たりが悪く、昼夜を問わず蛍光灯に頼らねば生活することすらままならない。蛍光灯の明かりは常に一定の光を放ち、そのなかで一日中ひきこもって惰眠を貪っていると、徐々に時間感覚が麻痺し、いま現在何時頃であるのかわからなくなってくる…

『白い部屋』

就業してより無遅刻無欠席、酒はほどほど、煙草は1日2本、ブロンはやめた。 穏やかな土地で暮らし、素敵な彼女と毎日やり取りし、充足した生活を手に入れ、 夢を見た。真っ白い夢。 徐々に輪郭が浮かび上がって、四畳半の一室にぼくはいるとわかった。白くて…

『ぼくだけに見える透明』

煙草を吸おうとコンビニに行くとJTが設置して回っている筒状の灰皿の上に吸い殻が山盛りになっているのを見た。絶対誰かが自動車の灰皿を無遠慮に捨てたのだろうと思うと、よくこんなことができたものだなと、怒りが沸々と込み上げてくる。こんなの、街中に…

『保存の法則』

浴槽を使って思い出をホルマリン漬けにするのもそろそろ限界を迎えて取捨選択を迫られたぼくは、ゴム手袋の手を突っ込んで深い方の記憶から順々に取り出して、どひゃあこんなガラクタを後生大事に取っておいたのか、とケラケラ笑いながら漁っていたが、いざ…

『極彩色』

虫さんの居所が悪いので、僕は虫さんをひねり殺しました。ひねり殺したら、驚くほどの静寂。心の平穏を取り戻した僕は、お昼寝としけこもうじゃないかと、犠牲の上に成り立つ平和を惰眠で浪費して、無駄に生きて死ぬ腹積もりのようです。虫さんが草葉の陰か…

『こけこっこー』

また久々になりましたね。どうもウスズです。最近の出来事は~、なんて、皆さんに報告するような近況はないんですが、お伝えに値する成果物もないんですが、どうしてブログを書き出しているのでしょう? なんて、僕にもわからないこと尋ねたって、皆さんにも…

『マックのハンバーガーだけあればいい』

マックのハンバーガーだけあればいい。あの100円のやつ。1日に1回、あれを2つか3つ食えればそれで十分になっている。それと80円のお茶ペットボトルがあれば他に何も要らない。それで一日の食事が終わる。生活の潤い、豊かさみたいなものが色褪せていくのを肌…

こんばんは。こんなブログにわざわざお越しいただきどうもありがとう。今日も今日とて救いようがない話、意味不明な供述を繰り返すだけなのだけど、それをわかっていて来訪してくれたなら、君たちの正気を疑ってしまうよ。どうせ、君たちは僕を見下し笑い者…

『オワリはじまり』

何もしていない。本当に何もしていない。このまま何もないまま今日を終えるのは虚しいので文章を書くことにする。と言えども、書くことがない。本当に書くことがない。かりゆし58の曲『オワリはじまり』の一節、“もうすぐ今日が終わる やり残したことはない…

『アンパンマン最終回』

顔が濡れたアンパンマン、そんな感じ。ヘロヘロとへたり込み、そこから一歩も動けない。目の前をバイキンマンが余裕たっぷりの佇まいで陣取り、僕を嘲り見下している、そんな感じ。絶体絶命の危機的状況ではあるが、僕に何も心配はなかった。いつも、ここぞ…

『NHKにようこそされたい』

世の中の童貞ディスはNHK(日本非童貞協会)の陰謀です。NHKは、数多のメディアに潜り込み、あらゆる手段で民草に童貞を侮蔑するよう扇動する、悪の組織です。一方で、非童貞を持ち上げ、男のステータスとして格付けする工作活動も水面下で行っています。そ…

以前、メンヘラ.jpに記載した文章

ブログ更新のやる気が起きないので、今年の5月にメンヘラ.jpのお悩み相談で記載した文章をupしておきます。Twitterアカウントを開設するより前に書いたものなので、前日譚的な楽しみ方をしてくだされば、と存じます。「メンヘラ.jp 生きていたくないのです」…

架空日記

祖母の1日は、ニュース番組やドキュメンタリーに釘付けとなって、恐ろしい事件や事故の報道に涙を流すところから始まる。そして、現実が如何に悲惨かを語るのが、唯一孫と面と向かって話す夕飯時のお決まりだった。 ここ数日の話題は、どっかの住宅に自衛隊…

『欠点』

今日も今日とて自己嫌悪、と行きたいところなんですが、最近の僕の思考停止具合といったらもう嫌になるくらいで、だって思考を続ければ不愉快になるんだもん、ってバターケーキみたいな安っぽい甘ったるい台詞を吐いて、酒ばかりを飲んでいる始末。これじゃ…

『レイトショー』

眠ってしまっていたようだ。首筋が軋むのを感じながら顔を上げると、煌々と輝くスクリーンが、暗い場所で椅子に縛られた女性が黒ずくめの男に銃を突きつけられているシーンを映していた。あれ、確か、眠りに就く前もこの女性は椅子に縛り付けられ、泣き喚き…

『死んだら負け』

死んだら負けらしいけど、実際その通りだと思うよ。生きて、生きてこそ働き金を稼ぎ美味い飯を食い高級な服飾を身に纏い女を侍らせ鼻の下を伸ばすことができるのであって、それが人生の最大目的とされている現代においては、帰結的に死は敗北なのだ。キミ、…

『不可説不可説転抄』

記憶ごちゃごちゃ、視界ちかちか、身体の輪郭がぼやけ、地上と接点をなくし、僕は宙ぶらりんのふわふわだけれど、胸のあたりから重たい錨が垂れ下がっていて、心だけ地べたを這いつくばって離れない。 試しに体温を測ってみたら、38度6分。ずっと気分悪かっ…

『ラビッドファイア』

平然を装って電車に揺られているけれど、僕の身体には、ずっとどす黒い感情が渦巻いている。 脚を組み替えたり、首を回したりするたびに、チラリと近くにいる同乗者の様子を伺う。 前方には、眼鏡をかけたスーツ姿のサラリーマンが膝にパソコンを抱え、キー…

『愛のうた』

パトカーに乗せられる夢をみる。無限の時間を突きつけられる。無何有郷の牢獄に収監される。人を殺した、人を殺した、と嘯くと皆に嫌な顔をされる。社会から隔絶され、野垂れ死ぬ自分を俯瞰する。待ってましたと野犬が這いより、四肢を食いちぎられ、臓物を…

『ある晩のできごと』

くだらぬ生き方のようですが、これは僕が望んだことであり、だから受け入れるしかないのです。 人生の大先輩であられるところの我が保護者様は、「もったいない、いつか後悔するぞ」と無為に生きる僕に有難いご高説をのたまい勝手に感情移入してくれるのだが…

『リビングデッド』

眠れないというのは最も恐ろしい悪夢で、悪夢にうなされた私は狂ってしまいました。自分の部屋がまるで墓地のように思え、ベッドはさながら棺のようです。意識が明瞭であるにもかかわらず、棺の中で身動きが取れない私は、まさにゾンビ。ゾンビというほかな…

『自己紹介』

そら初めての記事は自己紹介と相場が決まっていますが、人生経験の少ない僕に紹介できる自己なんてものはこれっぽちもないんですよ。本当に何もしてこなかったです。 よくある家庭に生まれ落ち、正常な発達段階を踏み、現代社会が敷く教育レールに疑うことな…